ママの手荒れをなんとかしたい!
こどもの診察をしているとき、嫌がって手が出ないようにママに抑えていてもらうのですが、
その時のママの手荒れがとても気になることがあります。
毎日、家事に育児にとても頑張っているんだなあと、頭の下がる瞬間です。
診療中は、もちろん小児科外来なので、こどもの診察をしますから、ママの手荒れの話はできませんので、この場を借りて、頑張っているママたちの手荒れのケアについてお話ししてみたいと思います!
まず、家事や育児に伴う手荒れはほとんどが「接触性皮膚炎」あるいは「皮脂欠乏性湿疹」と呼ばれるものです。
手を酷使することで、刺激に負けたり、うるおいが奪われることで荒れてくるんですね。
特に、水回りの仕事、「洗濯」「食器洗い」「風呂掃除」などが大きなダメージになります。
なので、可能であればこれらの家事をするときにゴム手袋などをして皮膚へのダメージを避けることが重要になりますが、毎日大量のタスクを同時進行でこなさなければならない中でいちいち手袋をつけ外しするのは難しいことも多いと思います。手袋が置いてあるところに移動する時間も惜しいところだと思いますので。
自宅でできる手荒れの治療
治療は唯一手を使う仕事から逃れられる睡眠中にやりましょう。
寝る前に以下の処置をします。
準備するもの:ステロイド軟膏(「リンデロン」「ベトネベート」「フルコート」など強めのもの)、保湿系入浴剤、布手袋、ビニール手袋
①ボウルにぬるま湯を入れて、保湿系の入浴剤を規定量加えます。ここに布手袋をつけておきます。
②軟膏を塗布する。
手の皮膚は分厚いので、比較的強力なステロイドを使います。塗る量は両手のひらであれば人差し指の第一関節分、手の両面に塗るならその2倍を使用します。思ったより多い量だと思いますが、これ以上薄く塗り伸ばすと効きません。
③入浴剤をしみこませた布手袋をつけます。
④ビニール手袋をつけます。
これでおしまい!
あとは寝ている間に、手の炎症が抑えられて、手荒れがみるみる改善します。
この処置を数日間続けると、手荒れはかなり良くなるはずです。
ちなみにこの治療方法は、Wet wrap therapy(湿潤療法)というアトピー性皮膚炎の治療方法を家庭向けにアレンジしたものです。
注意点として、この治療は強めのステロイドをしっかり効かせて短期間で一気によくする治療ですので、何週間も漫然と続けるのはオススメしません。1週間くらい治療したら、保湿中心のケアに切り替えるのが良いでしょう。また、逆に皮膚がかぶれるなどの症状がある場合は、すぐに中止した方が良いです。
少しでも、手荒れに悩むママたちの力になれれば幸いです。
とはいえ、本当は、手へのダメージを減らすことが根本的な解決方法なのは間違いありません。
次回は、ママの手荒れを防ぐためにパパにできることを書いてみたいと思います。
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