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妊娠中に要注意の感染症、サイトメガロウイス。このくらいなら大丈夫?

[2025.03.14]

前回の記事で、妊婦さんがサイトメガロウイルスに感染しないように正しい知識をもちましょう、というお話をしました。

 

主な感染対策は
・おむつ交換後は必ず手洗いをしましょう
・こどもと食器を共有したり食べ残しを食べるのはやめましょう
・こどもと口と口でのキスをするのはやめましょう
・保育園管理者は、妊娠している保育士さんに3歳未満のお世話をさせるのはなるべく避けてください
・性交時はコンドームを使用しましょう

 

危険な行動をとってしまった場合

上記のような感染対策がうまくいかず、仮に万が一、ウイルスが体内に入って感染してしまったとしても、それが赤ちゃんにうつる割合は3~5割、感染した赤ちゃんが発症する割合は2割程度と言われています。

 

危険な行動をとってしまった場合も即アウトというわけではありませんから、その後も引き感染対策を続けることが重要です。

 

とはいえリスクの話をすると、どうしても不安や心配が膨らみがちです。人によっては小さなお子さんに近づいたり触ったりすることにさえ抵抗が生まれてしまう方もいるのではないでしょうか。

 

このくらいなら大丈夫、というめやすも記載します。

 

こどもと一緒にお風呂に入って感染することはあまりありません。

こどもがお風呂でおしっこをしてしまった場合でもそこまで心配しなくて大丈夫。念のため、湯船のお湯で顔や頭を洗うのは避けましょう。

こどもの体や唾液や尿に触れただけでは感染しません。口の中に入らないよう手洗いをすることで防ぐことができます。

よだれがついていないおでこなどにキスをするのは問題ありません。

飛沫感染するウイルスではないため、こどもと同じ空間で近くにいるだけでは感染しません。

 

妊婦さんは抗体検査すべき?

2025年時点で妊婦さんのサイトメガロウイルス抗体検査は必須ではありませんので、産院によってやっているところとそうでないところがあると思います。もしご自身の健診先でオプション検査を行っているようであればぜひ検査してみてください。

 

ただ実際は、抗体がある場合でもまれにサイトメガロウイルスが「再感染」することがあるため、抗体陽性でも感染対策はすべきです。

 

そういう意味では、抗体のあるなしに関わらず、感染対策は重要なので、あえて抗体検査をする必要はない、という考え方もありだと思います。

 

このあたりの解釈は難しいので、この記事だけで判断せず、妊婦健診のときに主治医とよく相談するのが良いと思います。

 

赤ちゃんがサイトメガロウイルスに感染してしまったら?

運悪く胎児に感染し、何かしらの症状が出現した場合「症候性先天性サイトメガロウイルス感染症」といいます。以前は治療がありませんでしたが、発症した赤ちゃんへの治療が2023年に日本でも新たに採用されました。

 

ただし、半年間抗ウイルス薬をのみつづけることで、症状の進行を抑えられるというものです。感染をなかったことにするほど劇的に効くものではありませんので、やはり妊娠中の感染対策が重要です。

 

ほかに注意すべき感染症

ここまで妊婦さんが注意すべき感染症「サイトメガロウイルス」についてお話してきました。

 

妊娠中に気を付けたい感染症はほかにもあってそれらは総称して「TORCH(トーチ)」といいます。いずれも知名度は低いけど赤ちゃんが感染すると重症で、しかも感染対策はわりと簡単、というものなので、ぜひ一度は勉強してみてください。「トーチの会」のHPがとても分かりやすくまとめてくれていますので、おすすめです。

 

ほかの感染症についても、また機会があればまとめたいと思います。

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