メニュー

赤ちゃんにビタミンKシロップを飲ませましょう

当院の方針

・当院では産科退院後も毎週内服する「3ヶ月法」を推奨しています。
・ビタミンKシロップ(ケイツーシロップ)は自費購入となります(税込1,000円、10包入り)。クリニック窓口で販売しておりますので、お気軽にご相談ください。

 

なぜビタミンKシロップを飲ませるの?

・ビタミンKはもともと肝臓で血液凝固因子を活性化する物質として発見されました。赤ちゃんで問題になるのは、ビタミンKの不足による血液凝固の遅延、つまり出血しやすくなることです。ビタミンK欠乏性出血といって、皮膚や消化管から出血したり、中には頭蓋内出血を起こして命を落とすこともあります。
・ビタミンKは胎盤を通りにくいため、生まれてくる赤ちゃんはビタミンKの手持ちが多くありません。さらに母乳中のビタミンKが少ないため、かんたんに欠乏状態になってしまいます。
・そこで、赤ちゃんへのビタミンKシロップ投与が広く行われています。多くは、出生直後、退院前、1ヶ月健診でそれぞれ内服する3回法という方法がとられています。しかし近年、これでは不十分な可能性が示唆されています。

3回法より「3ヶ月法」を推奨する根拠

・3回法は前述の通り、出生直後、退院前、1ヶ月健診の3回内服する方法です。「3ヶ月法」は、3回法に加えて、おうちでも1週間に1回、合計13回内服する方法です。
・2015年〜2017年に全国の小児科施設を対象にした調査では、この時期にビタミンK欠乏性出血のあった13例のビタミンKシロップ投与状況を確認すると、11例が3回法を実施されていました(残り2例は投与方法不明またはその他)。一方で、「3ヶ月法」を実施していた赤ちゃんでビタミンK欠乏性出血を起こした子は一人もいませんでした。
・この調査から、3回法よりも「3ヶ月法」の方がビタミンK欠乏性出血を抑制できる! と結論が出せる訳ではありませんが、少なくともその可能性は示唆されました。起こりうることの重大性(頭蓋内出血による死亡や後遺症)を考えると、「3ヶ月法」は十分に推奨するに足る方法であると考えられます。
・この調査を受けて、2021年11月に日本小児科学会、日本産婦人科学会など16学会が合同で、「3ヶ月法」を推奨するという提言を発表しています。

そんなに飲んで大丈夫なのか?

・「3ヶ月法」自体は日本では10年以上前から行われており、また海外でも多くの国で採用されていますが、これまでに「3ヶ月法」でビタミンK過剰がおこったという報告はありません。
・ビタミンK2は大量摂取しても毒性は認められていません。成人では骨粗鬆症治療薬として毎日45mgの量で処方されることがありますが(赤ちゃんのビタミンKシロップは1包2mg)、これまでに安全性に問題がないことが証明されています。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME