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赤ちゃんに日焼け止めは塗った方がいいの?

[2024.06.01]

最近蒸し暑い日が続き、外にいるだけで汗ばむ日もでてきました。
これからの時期気になるのが、日焼けです。
特に赤ちゃんを連れてお散歩などに行く場合、日焼け止めを塗った方がいいですか? とよく質問されます。

 

はじめに当院としての推奨をまとめると
・直射日光に当たるのはなるべく避ける
・直射日光が避けられるなら日焼け止めは不要
・ある程度の時間やむを得ず直射日光を浴びてしまうことが予想される場合は、生後6か月未満の赤ちゃんであっても少量の塗布は許容される
(ほとんどアメリカ小児科学会の推奨のままです)

 

日焼けは健康的でかっこいい?

まず、前提としてですが、健康面で考えた場合「日焼け」は基本的にいいことはありません。
皮膚の老化や皮膚がんとの関連を示したエビデンスも多く出ており、体にとっては有害なものであると考えるべきです。こんがり焼けた小麦色の肌は健康的なイメージですが、実はその健康的なイメージのためにいくらかの健康を犠牲にしているという本末転倒な現実があります。

 

紫外線は悪か

日焼けがだめなら、その原因になっている「紫外線」こそ諸悪の根源ではないか! と考えたくなりますが、実はそうでもありません。以前赤ちゃんにビタミンDサプリを飲ませるべきか、という記事の中で書きましたが、紫外線を浴びることで体内でビタミンDを合成し、骨を作るのを助けているのです。紫外線を完全にシャットアウトしてしまうと、その恩恵も受けられなくなってしまいます。家にこもる生活をしている場合でも、1日15~30分くらいは外へ出ることが重要です。

 

直射日光に注意しよう

日焼けするほどの紫外線を浴びたくはないが、ビタミンDをいい感じに合成できるくらいには浴びたい。じゃあその紫外線量ってどのくらい? 紫外線の強さとか日光の照度とか計測したくなってきますが、季節や地域によって降り注ぐ紫外線の量は変わるため、厳密な紫外線量の測定は一般家庭では困難です。そこで、おおざっぱに「素肌に直射日光」は強すぎるのでダメ! と考えるとまずまずいい塩梅に収まるというわけです。

 

直射日光を回避する工夫を

実際、アメリカやカナダの小児科学会などでも「乳児への直射日光は極力避けましょう」と推奨されています。衣服で覆ったり、ベビーカーのサンシェード、日傘などを使って日陰を作ってあげるとよいです。直射日光に当たっていなければ基本的に日焼け止めは不要といわれています。逆に直射日光を浴びるような場合は生後6か月以内の赤ちゃんであっても、露出している部分に少量塗るのは許容されます。

もちろん、吸血鬼ってわけじゃないので、一瞬たりとも直射日光に当たってはいけないというわけではないです。ある程度の時間直射日光を避けられないような場合のみ日焼け止めを塗るくらいでいいと思います。

 

赤ちゃんに日焼け止めを塗ると何がいけないのか

日焼け止めを塗るデメリットはなんでしょう。前述のアメリカ小児科学会の推奨では、「日焼け止めの成分を吸収することによる赤ちゃんへの毒性は報告されていない」とあります。明らかな有害事象はないけれど、それでも化学物質が皮膚から吸収されるのはできれば避けたいところだよね、くらいのノリです。添加物などで肌が負けてかぶれることはあるかもしれませんが、それがなければ、塗ったら即ヤバいというほどのものではありません。ただし、これまた前述の通り紫外線をカットしすぎるとビタミンD合成に支障をきたす可能性があるため、外出の時は必ず塗る、みたいにやりすぎると弊害もあるってことです。過ぎたるは猶及ばざるが如しというわけです。

 

 

そんなわけで、推奨は冒頭の
・直射日光に当たるのはなるべく避ける
・直射日光が避けられるなら日焼け止めは不要
・ある程度の時間やむを得ず直射日光を浴びてしまうことが予想される場合は、生後6か月未満の赤ちゃんであっても少量の日焼け止め塗布は許容される
となります。

 

紫外線の種類とか、日焼け止めの種類とかの話もありますが、話をシンプルにするためそのあたりは割愛しました。お出かけ時の参考になれば幸いです。

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