熱中症対策! 水分補給を深堀り 喪失編
夏休みも始まり、暑い日が続きますね。
今年も熱中症患者が増加しております
(総務省消防庁の統計より)
熱中症が起こりそうな状況というのは、天気予報や自分のスケジュール(スポーツ等)からある程度予測がつきます。なので、熱中症になってしまう前の予防に力を入れることが重要です。
熱中症予防の第一位はなんといっても「暑いところにいかない、暑いところで運動しない」につきます。涼しいところでじっとしていれば熱中症にはなりません。部活なども指導者には「暑いのでこまめな休息を」ではなく「暑いので中止」の判断が求められます。
そして第二位が水分&塩分補給です。
僕がこどものころはまだ、暑い日でも「運動中は水飲むな」とか言われていた時代でした。今になって思えばあれってなんだったんだろう、というくらい意味不明な掟ですよね。何かメリットがあったのかな、、、?
水分は体からどれくらい失われていくのか
暑い時の水分・塩分喪失は主に「汗」によるものです。熱中症対策としての水分・塩分補給は「かいた汗の補充」と考えましょう。
では汗はどれくらい出るのでしょうか。これはスポドリや経口補水液のwebサイトに紹介されています。
https://pocarisweat.jp/hydration/sweat-amount/
元文献まではチェックしていませんが、炎天下で10分歩くと100mL、サッカーなど屋外スポーツを1時間すると1~2L、剣道など重装備の運動では1時間に3L近い汗をかくと言われています。
小学校だったら、休み時間に外で遊ぶたびにコップ一杯は補給しないと追いつきません。
真夏の炎天下で部活動などのスポーツを行うなら10分に1回くらいは水分補給しないとやばそうですね。
昔の水飲むな文化では部活の前後で体重が何キロか減っていたと思うとゾッとします。
塩分についてはどうか
汗をなめるとしょっぱいですよね。これは塩分(ナトリウム)を含むからです。しかし汗の役割は、水分が蒸発するときに熱を奪う性質を利用して「体を冷ます」ことなので、塩分を含む必要はありません。なので体的にはできるだけ汗の中にナトリウムを入れたくない。
そのため体は汗が出る前に一生懸命ナトリウムを体内に再吸収して汗の塩分濃度を抑えようとします。じわじわゆっくり出るような汗の場合は多くのナトリウムを回収する余裕がありますが、だらだら速く出る汗からはナトリウムを回収できず多量に失われてしまいます。
また、体が暑さに慣れてくると(暑熱順化)汗の中のナトリウムは減り、かわりにカリウムが増えます。これはホルモンの働きでナトリウムを体の中に引き込む代わりにカリウムを差し出すという反応を促進していることによります。
そんなわけで、汗の中に含まれるイオンバランスは、汗が出るスピードや、どれくらい暑さに慣れているかによって決まるため、常に同じというわけではありません。
日ごろから暑い環境で運動するアスリートは塩分(ナトリウム)の補給とともに、果物などからカリウムの補給することも大切です。
では実際、何を飲むのがよいのか、次回は具体的な水分補給、塩分補給について書いていきたいと思います。