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第7波を乗り切るために!(R4.8/15修正)

[2022.07.24]

7月中旬から、発熱患者、検査希望者が激増しており、当院のキャパシティーを圧倒的に上回る受診患者数になっております。

そのため、待ち時間が1〜2時間が当たり前の状態になってしまっています。
それを回避すべく、連日受け入れルールを変更したりしているので、もともとのかかりつけの患者さんには急なやり方の変更でとてもご不便をおかけしております。
また、受診希望でお電話いただいた患者さんの多くをお断りせざるを得ない現状をとても悔しく思います。

 

これまでの波では小児科医療がそこまで影響を受けることはありませんでしたが、今回は本当にすごいです。

 

学生時代、朝5時から夜中1時まで20時間勤務だった、ホテルウエディングバイト時代を思い出すくらいの勢いです。でもきっとこどもが熱でうなされているのにどこにも受診できずにいる皆様の不安の方がいかほどキツい状況かと思います。

こちらとしては、持てる力を全て注ぐのみですが、それでも全然需要に応えきれていないと思います。

そこで、受診希望なのにどこも受け入れてもらえない、電話もつながらない、そんな方の力に少しでもなれるように、「受診」以外の選択肢について考えてみたいと思います。

自宅検査からの自主療養という方法

抗原キットをお持ちの方はぜひ自宅で検査してみてください。(ただし「研究用」と書かれたキットは無効ですのでご注意ください。)

発症してすぐに検査するのは待ってください。抗原検査は発症から2~3日目で感度が最大になりますので、最低でも丸一日は様子を見てからにしましょう。

鼻腔検体の取り方は、「スワブを鼻の孔に2cmくらい入れて、ゆっくり5回転させ、5秒くらい待って」から抜きます。

 

自宅抗原検査キットが陽性になったがどうすればよいでしょうか。
2歳以上であれば、医療機関を受診せず、自主療養という方法があります。
陽性になったキットはすぐに捨てずに(あとで写真を撮ります)、自主療養申請のページに進みましょう。

なお、現在の流行状況なら、検査キット陽性が偽陽性である可能性は考えなくていいと思います。うっすらでも線が出たら、陽性、として良いと思います。

検査はしないという選択肢

我々医療者が検査をするかどうかを考えるとき、「検査結果によってその後の治療や対応が変わるか」を考えます。検査結果がどっちでも介入が変わらないなら、検査をする意味はないと考えます。呼吸状態の悪くない幼稚園生にRSウイルスの検査をしないのもそのためです。

新型コロナは、低リスクかつ軽症のこどもに対する特異的治療が今のところありません。重要なのは重症化しないかどうかよく観察することです。検査で白黒はっきりさせても、こどもにとってメリットは少ないのです。痛い思いをさせてまで、検査する必要が本当にあるでしょうか。

会社や保育園が検査をしないと来ちゃダメですと明言している場合はやむを得ないにしても(本当はこれもどうかと思うけど)、「念のため」「できれば」という理由での検査は現在のひっ迫した状況ではあまり望ましい選択肢とはいえません。

たとえば、同居の両親がコロナ陽性で、こどもが発熱したので検査してほしい。というような場合。低年齢の子であれば一人で外出することはないと思いますので、両親が陽性の時点で最低でも10日間は自宅待機することになります。こどもがコロナだろうがなかろうが、これでほとんど周りにうつすリスクはなくなります。

コロナかもしれない、と思いながら過ごすのは非常に不安なことだと思いますが、本当に受診が必要になったときにすぐ受診できる環境と維持するためにも、とても重要なことだと思います。

具合が悪いこどもを自宅でどうみていくか

まず、こどものコロナはほぼ風邪と同じような経過をたどるので、薬を飲まずとも自然に治ります。逆に言えば、受診してできるのは主に「重症かどうかの評価」であり、処方薬を使って治したり重症化を防ぐことはできません。処方薬は成分的には市販の風邪薬とほぼ同じなので、市販薬でも十分です。

ちなみに、「解熱薬を使っても熱が下がりません」という相談をよく受けます。まず、解熱薬は平熱まで熱を下げる薬ではなく、炎症を抑えることで発熱を抑え、倦怠感などの不快な症状を和らげる薬であることを理解しましょう。従って、体温はちょろっとしか下がらないことも多いです。だるさが和らいで多少なりとも元気が出れば効果ありです。そして数時間で効果は切れます。楽になったタイミングで水分や睡眠をとりましょう。

小児科の代表的な解熱薬であるアセトアミノフェンの使用量は体重1kgあたり10mgくらいが適切です。これ以下だとあまり効きません。市販の飲み薬はたいてい抗ヒスタミン薬とか余計なものがいろいろ入っているので、この量に合わせるとほかの成分が過量になることがあるのでおすすめできません。座薬だとアセトアミノフェンのみ含まれるものが一般的なので、量の調節がしやすいです。

咳や鼻水は基本的には自然に治るのを待つほかありません。喘息だとか細菌性肺炎を合併している場合を除いて、薬剤が劇的に効くということは処方薬・市販薬ともにあまり期待できません。

そうはいっても、高熱にうなされ、咳込んで眠れないわが子を前にして、そう割り切って考えられるものではありません。

●絶対に受診した方がいい状況
・全く飲まず食わずで、朝から晩まで1回も排尿がない
・苦しくて横になれない、喋れない
・(嫌なことをしても)泣かない、嫌がらない
・明らかに意識がおかしい状態が15分以上続いている
これらに該当する場合は、点滴や呼吸補助などの入院治療が必要な可能性が高いため、速やかに受診しましょう。すでにコロナ陽性になっている方はLINE登録時に教えてもらえるコロナ119番に相談しましょう。

●自宅でみていても大丈夫な可能性が高い状況
・泣き止まない、寝れない
・咳込んで吐く
・ご飯・水分がほんの少ししか摂れない
・解熱薬を使うと一時的に少し楽になるがすぐまた高熱になる
これらはよく相談されますが、多くは自宅で対応可能です。それぞれの症状に対するおうちでのケアについても改めて記事にしていこうと思います。(なかなか記事が作れておらず申し訳ありません。。。)

当院かかりつけの皆様へ

かかりつけ医登録されている方には、院長ホットラインの番号をお伝えしているかと思います。幸い今のところ院長は元気ですので、こどもが具合悪いのに受診できなくて不安!というかたは遠慮せずにお電話してください。このお電話で受診や検査のお約束をすることはできませんが、ご自宅での過ごし方のアドバイスならできるかと思います。

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