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ブログの「エビデンス」に関する注意点

[2023.04.07]

ブログをかくにあたって、本当に悩んだのが、この「エビデンス」の取り扱いです。
SNSの普及で、その道の専門家も自称専門家も素人もごちゃまぜに情報発信する時代となりました。
本当に「それっぽい」情報の山だなと実感する毎日です。
皆さんはどのようにして情報を取捨選択しているのでしょうか?

情報発信するなら根拠を明示せよ、といいます。たとえば、「〇〇という論文で有意差が示されました。」とか、「〇〇学会の声明では××と言われています」と言えば、正しい感じがしませんか?
引用文献の注釈1) ←こういうの とかつけるとさらにそれっぽくなります。

でも、根拠となる文献があっても、それが正しいかどうかを判断できなければ、その根拠が妥当なものかどうか判断できません。自分の専門分野でもなければ、ネット上の記事の引用文献をいちいちたどって読み込む人はなかなかいないと思います。

どれだけ偉い人の発信でも、どれだけ権威ある科学雑誌の論文を引用していても、その情報が正しいかどうかは、すべての引用文献を自分で読んでエビデンスレベルを評価しない限り、わかりません。

実際、僕たち医師が医療の情報を得る場合は、根拠論文はなるべく原文を読むようにしていますが、自分の専門外の領域についてはそんなことはしません。(美容師さんがこのコンディショナーがいいよと言ったらすぐ信じちゃいます。笑)おそらく皆さんもそうだと思います。

結局、ブログやらSNSでの情報発信はどれだけそれっぽく根拠に基づいているかのように書かれていても、エビデンスレベルの低い「専門家の意見」でしかないのです。

それならば、結局だいじなのは「何を信じるか」だと思います。この先生ならきっと正しいことを言っていると信じられる、もしくは書いてあることに納得できるならば、その情報を信じていいのだと思います。だから、このブログはどこか遠くにいる愛育こどもクリニックとは縁もゆかりもない専門家に正確な情報を届けることを目的にはしていません。あくまで普段の診療では伝えきれない「自分の意見」としてこのブログを書くことにしています。

記事を書くにあたって、もちろん間違ったことを書かないように細心の注意を払いますが、上記のような理由から僕は(おそらく読まれないであろう)引用文献を明示しないことが多いです。必要以上に「それっぽく」なってしまうことを避けるためです。ぜひ参照してほしい時は書きますが。


今回、なぜこんな内容を書いたかというと、前回子宮頸がんワクチンのことを記載するにあたって、「反ワクチン派」みたいな存在がどうやってできるかを想像したときに、情報の「それっぽさ」が悪さをしているんじゃないかと思ったからです。事実に反する、または科学的根拠の明確でない情報が「それっぽく」伝わりすぎた結果、荒唐無稽な極論が世の中に広がるのではないか、と。

まあ、自分のブログにそんな影響力はないので考え過ぎなのですが、、、

今後もこのブログでは、皆さんが読んでいて楽しみつつ健康にちょっと役立つような情報をお届けできるように努めますので、気楽な気持ちで読んでいただければ幸いです。

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