赤ちゃんのB型肝炎ワクチンってどんなの?
赤ちゃんの予防接種スケジュールの中で、少しなじみが薄いかもしれない「B型肝炎ワクチン」。
「B型肝炎って大人の病気じゃないの?」と思う方も多いかもしれませんが、実は赤ちゃんにもとても大切なワクチンなんです。
ここでは、B型肝炎ワクチンの目的や効果、副反応などをわかりやすく解説します。
何を予防するワクチン?
B型肝炎ウイルスによる肝臓の感染症を防ぐためのワクチンです。
B型肝炎ウイルスに感染すると文字通り「B型肝炎」という病気を起こし、発熱・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)・肝機能障害などの症状が出ます。(小児だと無症状のことも多い)
多くの場合は自然に回復しますが、乳児期に感染すると約90%がキャリアと呼ばれるウイルスを保持した状態になり、将来「慢性肝炎」や「肝硬変」「肝がん」へ進行することが知られています。
そのため「赤ちゃんのうちからの予防」がとても重要なのです。
ワクチンの歴史
B型肝炎ワクチンは、1980年代にアメリカで実用化され、日本では1986年から使われ始めました。
当初は「母親がB型肝炎ウイルスに感染している赤ちゃん」に限定して接種されていましたが、2016年からはすべての赤ちゃんが対象の「定期接種」になりました。
つまり今では「全国の赤ちゃんが公費で受けられる」ワクチンです。
予防接種の効果は?
世界的に多くの研究で、B型肝炎ワクチンの効果が確認されています。
具体的には、90〜95%以上の人で抗体がつき、乳児への母子感染を約95%以上 防ぐと言われています
WHO(世界保健機関) の報告ではワクチン導入後、世界各国で小児の慢性B型肝炎発症率が10分の1以下に減少したと言われています。
こうかはばつぐんだ
効果はどれくらい持続する?
接種後、10〜20年以上にわたって抗体が維持されることが多いと報告されています。抗体の値(抗HBs抗体価)は徐々に下がりますが、免疫の「記憶」は残るため、再感染しても体がすぐに反応して守ってくれます。
そのため、通常は追加接種(ブースター)は必要ありません。乳児期にきちんと接種しておけば生涯安泰といっても過言ではないわけです。
副反応は?
B型肝炎ワクチンは非常に安全性の高いワクチンです。
添付文書的には接種部位の赤みや腫れ(約10%)、一時的な発熱(約5%)などがありますが、一緒に打つ肺炎球菌ワクチンや五種混合ワクチンに比べるとかなり頻度は低いです。
重篤な副反応として報告されているのはアナフィラキシーですが、頻度は100万回に1回未満と報告されています。
世界では?
WHOはすべての新生児へのB型肝炎ワクチン接種を推奨しています。
多くの国では、生後24時間以内に1回目を接種し、その後2〜3回追加します。
日本では生後2か月から3回接種するスケジュールです(1回目→4週後→1回目から20〜24週後)。
接種率はだいたい世界全体で約83%とメジャーなワクチンです。
まとめ
B型肝炎ワクチンは、
①肝炎や肝がんの原因となるウイルス感染を防ぐ
②赤ちゃんのうちに接種することで一生の健康を守る
③副反応が少なく、安全性が高い
という特徴があります。
子どもにとって「将来の肝臓を守る大切なワクチン」。
総合的に見て打たない理由のないワクチンかなと思います。
接種スケジュールに迷ったときや、体調で心配な点がある場合は、どうぞお気軽にご相談くださいね。
