質問1
インフルエンザの予防接種について(その1)

【質問】
 インフルエンザが流行しているそうですが、今からワクチンを受けても効果があるのでしょうか?

【お答え】
 冬にひく風邪の原因ウイルスの代表がインフルエンザウイルスで、A,B,Cの3つの型があり、今年はA香港型が猛威をふるっています。 数年前に公衆衛生学会が予防ワクチンの効果を疑問視してから、わが国ではワクチンを受ける人が極端に少なくなってしまいました。 米国ではインフルエンザワクチンの効果は高いと信じられていて、老人、妊婦、小児などのハイリスクグループを対象にした接種がおこなわれています。 わが国でも、ワクチンを接種した小児はたとえインフルエンザに罹っても脳炎や脳症など重症化がないことが明らかにされ、ワクチンの効果が評価されるようになりました。 ただし、6カ月未満の赤ちゃんは効果が確認できませんので接種していません。 このような場合はご家族が接種をうけて家庭にインフルエンザを持ち込まないようにすることが必要です。
 ワクチンは3〜4週間隔で2回の接種が必要です。 6カ月から1歳未満は0.1ml、1歳から6歳未満は0.2ml、6歳から13歳未満は0.3mlというように年齢によって接種量が異なります。 免疫の効果は接種してから2〜3週間は待たねばなりませんので、おそくとも11月末までに2回の接種を済ませておくことが望ましいのです。 冬にピークパフォーマンスを発揮しなければならないスポーツ選手や受験生、致命的になりやすい高齢者、インフルエンザ脳炎や脳症をおこしやすい小児は毎年ワクチンをお受けになるようお勧めいたします。
 残念ですが感染のピークが過ぎてしまった今から接種しても、予防効果は望めません。 人ごみをなるべく避けて、外出後はウイルスが付着している手や顔を洗うことを心がけてください。

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質問2
インフルエンザの予防接種について(その2)

【質問】
 昨年12月に友人の子供がインフルエンザが原因の脳の病気で亡くなりました。 インフルエンザはそんなに恐い病気なのですか? 予防はどうしたらよいのでしょうか?

【お答え】
 昨シーズンに老人ホームなどでお年寄の死亡が相次ぎ、インフルエンザの恐さが注目されたのをご記憶の方も多いと思います。 実はお年寄だけでなく、小児にとってもインフルエンザ感染は恐い病気なのです。 日本では死亡したり、後遺症を残す小児は毎年200人以上に及ぶと推測されています。 お友達のお子さんはおそらくインフルエンザ脳炎か脳症で亡くなられたと思われます。
 インフルエンザを予防するにはワクチンを積極的に受けるのが良いようです。 米国ではワクチンの効果は高く評価されていて、老人、妊婦、小児などのハイリスクグループを対象にした接種が盛んにおこなわれています。
 わが国でも、ワクチンを接種した小児はたとえインフルエンザに罹っても脳炎や脳症など重症化がないことが明らかにされ、ワクチンの効果が評価されるようになりました。
 ワクチンは3〜4週間隔で2回の接種が必要です。 6カ月から1歳未満は0.1ml、1歳から6歳未満は0.2ml、6歳から13歳未満は0.3mlというように年齢によって接種量が異なります。 免疫の効果は接種してから2〜3週間は待たねばなりませんので、おそくとも11月から12月までに2回の接種を済ませておくことが望ましいのです。 冬にピークパフォーマンスを発揮しなければならないスポーツ選手や受験生、致命的になりやすい高齢者、インフルエンザ脳炎や脳症をおこしやすい小児は毎年ワクチンをお受けになるようお勧めいたします。

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質問3
インフルエンザの予防接種について(その3)

【質問】
 昨年子供がインフルエンザに罹り、大変な思いをしました。 今年は是非ワクチンを受けたいのですが、いつ頃までに受ければよいのでしょうか?

【お答え】
 冬にひく風邪の原因ウイルスの代表がインフルエンザウイルスで、A,B,Cの3つの型があります。 主にA型とB型のどれかが流行を引き起こします。 近年では研究の成果により、その年に流行する型の予測は10年間連続して的中しています。 地球規模の研究の結果、南半球で流行した型が北半球でも流行することが明かとなったからです。 インフルエンザワクチンは”確実に効く”時代になったといえましょう。
 インフルエンザは風邪のなかでも全身症状が特に強く出るのが特徴です。 抵抗力の弱い赤ちゃんは大人より重症になることが多く油断できません。 時には、脳炎や脳症、肺炎などの合併症で亡くなったりすることもあります。 ところが、ワクチンを接種していればインフルエンザに罹っても脳炎や脳症など重症になる確率を低くすることができるのです。
 ワクチンは3〜4週間隔で2回の接種が必要です。 生後6カ月から接種可能です。 免疫の効果は接種してから2〜3週間は待たねばなりませんので、おそくとも11月末から12月半ばまでには2回の接種を済ませておくことが望ましいのです。

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質問4
インフルエンザの予防接種について(その4)

【質問】
 インフルエンザワクチンを受けようと思いますが、ワクチンの効果は本当にあるのでしょうか?

【お答え】
 A型インフルエンザ(A香港型、Aソ連型)に対するワクチンの感染防止効果は67.5〜90%、B型インフルエンザでは40%とされ、A型への予防効果は高いのですがB型への効果は低いようです。 しかし、高齢者においては、肺炎の発症と入院を防止する効果や死亡を防止する効果が高いことが証明されています。
 さらにハイリスクグループといわれる肺、心臓、腎臓などの病気の患者さんの重症化を防ぐ効果も明らかとなりました。 小児においてはワクチン接種をすると脳炎や脳症などの重症化がおこらないことが報告されています。 このようにインフルエンザワクチン接種は感染防止は十分とはいえないものの、死亡したり障害が残る重症化を防ぐというとても大切な効果があるのです。
 欧米では、インフルエンザワクチンの有効性は高く評価されていて、高齢者と基礎疾患を持つハイリスクグループを対象とした無料接種が開始されています。 日本のワクチンも効果に変わりはありませんので、高齢者や幼児さらにハイリスクグループへの接種を積極的に進めるべきと考えます。 免疫の効果は接種してから2〜3週間は待たねばなりませんので、流行が起こる前までには(おそくとも11月末から12月半ばまで)接種を済ませておくべきでしょう。

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質問5
1歳前のはしか予防接種はしたほうがいいのでしょうか?

【質問】
 はしかが流行しているそうですが、息子は現在10カ月で定期予防接種には早すぎます。 保育所に預けているのでうつるのが心配です。どうしたらよろしいでしょうか? アドバイスをお願いします。

【お答え】
 はしかは昔、命定めといわれたようにこどもの運命を分けた致命的な病気でした。 医学の発達した現在でも、高熱が続いて肺炎、気管支炎、中耳炎などを高率に合併しますので、はしかは厄介な病気であることに変わりはありません。 できればかからないうちに予防接種を受けたいものです。 はしかの予防接種は満1歳過ぎでないと絶対に受けられないわけではありません。 決められた年齢以外で接種する場合には予防接種代が自己負担になるだけです。
 ご質問のお子さんは10カ月ですからお母さんからいただいた免疫が消えて感染のリスクがある月齢です。 それゆえ保育所で感染する前に、是非ともはしかワクチンをお受けになるようお勧めいたします。 はしかワクチンの自己負担額は医療機関によって異なりますが、おおよそ8.000から10.000円程度です。

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質問6
冷却シートの使い方を教えてください

【質問】
 10カ月の男の子ですが、先日熱が出たので初めて冷却シートを使いました。使用する際の注意点を教えてください。

【お答え】
 冷却シートは衛生雑貨として薬局のほか、スーパーやコンビニでも販売されていて、多くのご家庭で使われているようです。 冷却効果は、水溶性の高分子ポリマーのジェル基材に含まれている水分の気化熱が皮膚温を下げることで生じます。 実際にシートを皮膚に貼ることによって2〜3℃の一定した冷却効果が生じ、それが約2時間持続するとされています。 従来の濡れタオルや氷嚢での冷却よりも手間がかからず、効果が長持ちするのが急速に普及した理由だと思います。
 ジェルには防腐剤やハッカ、ユーカリ、ラベンダーなどの香料が含まれています。 皮膚のかぶれや腫れは殆ど認められませんが、敏感なお子さんはかぶれることがありますのでご注意ください。
 使用上の注意点としては、シートがはがれて鼻や口を塞ぐ事故が報告されています。 6か月前のお子さんには使用しないのが賢明です。 また効果が2時間しか持続しないので時間をすぎたら交換すること、ハッカなど匂いの強いものを子供は嫌うので無臭性のものをお使いになると良いでしょう。 また、冷たいシートを貼られるのを極端に嫌がるお子さんがおりますので、その場合は強要しないで、坐薬や解熱剤の使用を検討して下さい。

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質問7
母乳と風邪薬の関係は?

【質問】
 母乳が良く出ていますので母乳だけで育てています。2〜3日前から私が風邪をひいてしまいました。 ノドの痛みと熱があってつらいのでお薬を飲みたいのですが、母乳をやめないといけないでしょうか?

【お答え】
 お母さんがある種類の薬を飲みますとその成分が乳汁に移行して、母乳を飲んだ赤ちゃんに症状が現われることがあります。 このようなお薬は当然飲んではいけません。
 アメリカ小児科学会委員会報告によりますと、母乳を与えているときに飲んではいけないお薬とは、免疫抑制剤、放射線薬剤、向精神薬の一部、片頭痛治療薬などです。 しかし、風邪薬はごく一部の薬を除いて母乳をのんでいる赤ちゃんに症状をもたらすことはありません。 つらいのを我慢しているのは大変ですので、かかりつけの先生に母乳を飲ませていることをお話しして、お薬をいただいてください。 繰り返しますが、風邪薬の殆どは授乳しているお母さんが飲んでも大丈夫です。

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質問8
夜泣きがひどいのですが…

【質問】
 1才の長男のことですが、夜泣きがひどく困っています。何か良い方法がありましたら教えてください。

【お答え】
長く続く夜泣きはつらいものです。 『子育てのなかで一番つらかった』と告白するお母さんもいます。
 夜泣きの原因は、
  ・昼夜の生活リズムが逆転、
  ・身体が疲れていないので十分に眠る必要がない、
  ・情緒が出てくる6カ月以降は夢をみて目覚めることがある、
  ・いちど夜泣きが始まると夜中に目覚める生活リズムになってしまう、
などといわれ、約50%の赤ちゃんには程度の差はありますが認められます。
 しかし昔から、歩けば治る、走れば治る、といわれるように時期が来ると解消するものなのです。 当面の対策としては
  ・外で遊ばせて気分転換を図る、
  ・体を使う遊びで疲れさせる、
  ・断乳をする、
  ・生活リズムを立て直す、
  ・夕方からは眠らせないで起こしておく、
などがありますが、決め手に欠けるようです。
 肝心なことは寝不足でイライラしているお母さんを周囲の人がどうサポートするかです。 『時が解決する』のですから、しばらくの間はお父さんの出番なのです。

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質問9
夜泣きに宇津救命丸は効果がありますか?

【質問】
 11カ月の息子の夜泣きがひどくて困っています。 小児科の先生には様子をみるように言われましたが、夜中に2時間も泣き続けるので疲れてしまいました。 実家の母から宇津救命丸を飲ませるようにいわれましたが、どうしたらよろしいでしょうか?

【お答え】
 夜泣きは育児のなかで最も辛い出来事のひとつです。 昔から『夜泣きは歩くようになったら治る』とか『走るようになったら治る』といわれてきたように、お子さんが成長するに伴って、徐々に解消するのが普通です。 しかし将来治るからといって何もしないでじっと我慢しているのはとても辛いことですね。
 救命丸は300年以上前から使われている一般薬で、麝香(ジャコウ)、午黄、丁字、羚羊角、牛胆、黄蓮、朝鮮人参、甘草の8種類の漢方薬を含んでいます。 このうち麝香、午黄、羚羊角、朝鮮人参には鎮静作用があり、夜泣きなどの神経質兆候を抑制する効果があるとされています。 現代医学で用いられている薬のなかで、長期投与で副作用の心配が全くなくて、かつ小児の神経質兆候を抑制するのに有効な薬はありませんので、夜泣きで困っている場合は試してみられたらいかがでしょうか。 ただし、用量をきちんと守り、1カ月経っても効果がなければ止めるようにいたしましょう。
 頑固な夜泣きには鎮静催眠剤を短期間だけ処方する場合もありますので、ご相談ください。

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質問10
赤ちゃんの鼻づまりへの対処法(その1)

【質問】
 生後1カ月の男の子ですが、産科を退院してから鼻がつまってブヒブヒしています。苦しそうですが、どうしたらよいでしょうか?

【お答え】
 1カ月健診での鼻づまりは珍しいことではありません。 特に寒さに向かうこの時期では、殆どの赤ちゃんに鼻づまりがみられます。
 鼻づまりの多くは、寒冷刺激と空気乾燥が最初の原因になっていますので、加温と加湿が解決の決め手となります。 具体的には、赤ちゃん部屋を22〜23℃に暖めて加湿器を使うことです。
 さらに、お風呂で身体を暖めたり、湯気を吸わせますと、鼻の粘膜の通りが良くなりますので、お熱がない限り(37.5℃未満)入浴させることをお勧めいたします。 また、ガーゼを湯に浸して鼻に当てるのも効果があります。
 点鼻薬、オイル、軟膏を鼻につけますと、これらがノドの奥から気管に流れこんで副作用がでたという報告があり、現在ではあまり使われておりません。
 鼻がズビズビしている場合は吸引器やスポイトで吸い取るとよいでしょう。 ただし、鼻の粘膜を傷つける恐れがありますので鼻の奥まで入れないようにいたしましょう。 鼻づまりで哺乳できないとか眠れない場合にはかかりつけの先生に鼻腔吸引をしていただくとよいでしょう。

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質問11
赤ちゃんのハナづまり(その2)

【質問】
 生後2カ月の女の子ですが、鼻がズーズーします。お乳は普段と変わりなく飲んでいますが、寝苦しそうなので心配です。

【お答え】
 赤ちゃんは、熱や咳もないのに、鼻をつまらせたり寝苦しそうにしたりすることがあります。 これは赤ちゃんの鼻の穴が小さく、鼻の粘膜が敏感なので、ちょっとした気温の変化などの刺激で鼻みずが出ます。 これからの季節は空気が乾燥しますと、鼻みずがねばっこくなったり、鼻クソになったりして鼻をつまらせてしまいます。 ひどい鼻づまりですと、寝苦しいだけでなくお乳が飲みにくくなって機嫌が悪くなります。
 ご質問の赤ちゃんは哺乳力が落ちていませんので、心配ないと思いますが、お家で次のことを試してください。
  ・部屋が乾燥しないように、加湿器を使う、
  ・お風呂の湯気は鼻の粘膜を湿らせて鼻の通りを良くしますので、お熱がない限り(37.5℃未満)お風呂に入れる。
 また、鼻がズーズーしていると 鼻みずを吸い取って楽にしてあげたいと思われるでしょうが、鼻みずを吸い取るだけでは鼻づまりは良くなりません。 鼻の中を傷つけないように、ほどほどになさってください。
 お乳の量が普段の半分に減ったり、咳が出たりゼイゼイしてきたら、本格的な風邪かもしれませんので、診察をお受けになるようにお勧めします。

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質問12
子どもが熱を出したときには?

【質問】
 実家に帰った時に、9カ月の息子が39.3℃の熱を出しました。 両親には厚着をさせて身体を冷やさないようにと勧められましたが、夜間診療所の先生には熱を逃がすように薄着で様子を見なさいといわれました。 どちらが良いのでしょうか?

【お答え】
 おじいちゃんやおばあちゃんの世代の育児方法と現在の育児方法とで最も違うのが、この発熱時の対処方法です。 昔は麻疹(はしか)に罹ったときなどにショックとなって死亡するお子さんが多かったためでしょうか、熱が出たときは厚着をさせて部屋を締め切って風にあてないようにするのがベストとされていました。
 しかし現在では育児環境は改善され、こどもの栄養状態も著しく向上しましたので、ショックによる死亡はまったく見られなくなりました。 厚着をさせたり、部屋を締め切るなどの対処は必要ありません。 厚着で熱がこもりますと自然に下がるはずの体温も下がりませんし、熱が高いときにサウナには入るようなもので心地が悪いものです。 薄着で熱を逃がしやすくしてください。
 冷えたタオルで頭や両脇や股の付け根を冷やすのも効果的ですが、嫌がるときは無理に冷やす必要はありません。 熱が38.5℃以上で気嫌が悪くて眠れないようでしたら、熱さましの坐薬か頓服を使いましょう。 お部屋はエアコンをかけて、心地よく眠れるようにしてあげてください。 手足だけが冷たいようでしたら、手袋や靴下をつけるかタオルケットを1枚かけるなどトライしてみてください。

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質問13
熱さましの使い方

【質問】
 1歳2カ月の息子が40.2℃の熱を出し、病院で熱さましの坐薬をいただいてお熱は下がりました。 坐薬はどのくらいのお熱で使ったらよいのか教えてください。

【お答え】
 熱が高いと脳に障害が出ることを多くのお母様方は心配されますが、40℃くらいの熱では脳に異常は出ませんので安心してください。 発熱して身体が熱いということは風邪の原因ウイルスや細菌の増殖を防ぐというメリットもありますので、私はお母様に熱を下げることばかりに気をとられないようにお話ししています。
 熱さましの坐薬は熱によるつらさを軽くするためのおくすりですので、38.5℃以上でつらそうになときとか眠れないときに限って使うようにしましょう。 38.5℃以上のお熱があっても元気でつらそうでなければ使わなくてもよいのです。
 熱さましのおくすりは坐薬と飲みぐすりがありますが、効き目は同じです。 吐く子には坐薬を、下痢や坐薬のきらいな子には飲みぐすりを処方しています。
 熱さましは1日3回が限度ですので、いちど使ったら6時間は様子をみてください。 熱さましの坐薬と飲みぐすりを同時に使ってはいけません。

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質問14
熱性けいれんの予防

【質問】
 1歳2カ月の息子が熱性けいれんを起こしました。けいれんの時間は1〜2分だったと思いますが、あわててしまいました。 今後、けいれんを起こさないようにするにはどうしたらよいでしょうか?

【お答え】
 生後6カ月から5歳までの乳幼児期には、発熱時にけいれんを起こすことがあり、このけいれんを熱性けいれんと呼んでいます。 約半数のお子さんにけいれんの再発があります。 ご質問の方のように、こどもがけいれんするのを見るのはつらいことですから、起こさないような予防手段をとりましょう。 最近では、予防に効果的なお薬が坐薬で使えるようになりました。 熱性けいれんは体温が急激に上昇するときに起こりやすいので、37.5℃前後の発熱に気づいたときにはできるだけ速やかにダイアップという坐薬を1個肛門内に挿入します。 そして、38℃以上の発熱が続く場合には、8時間後に2回目の坐薬を挿入します。 2回目挿入後はけいれんを抑制する薬物の濃度が維持されていますので、さらに発熱が続いても坐薬を使わないで経過を見ます。
 発熱初期の挿入のタイミングさえ失しなければ、この方法でほとんどの熱性けいれんを予防することが可能です。
 この坐薬は、熱さましの坐薬と併用すると吸収が阻害されて効果が失われてしまいますので、併用しないで下さい。 熱が高くて不機嫌で眠れないなどの時には、30分以上の間隔をあけてから熱さましの坐薬をお使いください。
 この坐薬は3種類の剤型があり、お子さんの体重によって選択します。 かかりつけの先生の説明をお聞きになって、熱性けいれんの予防につとめて下さい。

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質問15
頭を打った赤ちゃん

【質問】
 4カ月半になる娘がベビーベッドからフローリングの床に落ちました。 高さは40cmくらいと思います。すぐに泣いて、抱き上げたらしばらくして泣き止みました。 吐いたり、ぐったりしていませんが、診察にうかがったほうがよろしいでしょうか?

【お答え】
 頭を打ったお子さんを来院した場合に、ドクターは次のような症状と所見に注意して診察します。それは、
  ・吐いていないか、
  ・意識はしっかりしているか、
  ・手足の動きに異常がないか、
  ・左右の瞳孔のサイズに差がないか、
  ・頭の骨に異常がないか、
の5項目です。そのため、これらのいずれかを認めた場合は診察させていただいたほうがよろしいので、受診をお勧めいたします。
 ご質問のお子さんは心配ないと思いますが、念のため今夜は入浴させないで、2〜3日は遠出をお控えください。
 このように慎重になる理由は、脳の中で出血している場合には症状がでるまでに多少時間がかかるからです。
  ・顔色が悪くなり、吐き気がある、
  ・ボーッとしていて、起こそうとしても起きない、
  ・ピクピクけいれんしたり、逆に手足がダラッとしている、
こんな症状がでたらすぐに病院へお連れになってください。
 赤ちゃんをひとりにして家事をするときは、ほんのちょっとの間でもベッドの柵は閉めてください。 お母さんが思っている以上に赤ちゃんの運動能力は発達しているものなのです。

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質問16
虫刺されについて(その1)

【質問】
 1歳の息子が顔と手足を蚊に刺されてしまいました。 1週間たっても、刺されたあとが固くなって、一部はジクジクしています。どうしたらよいでしょうか?

【お答え】
 虫刺されは虫が活動する夏に多く発生します。 刺されやすい人とそうでない人がいて、個人差があります。 一般的に、こどもはおとなよりも活発な代謝をしていて炭酸ガスや乳酸を産生していますので、蚊などが好んで刺すといわれています。 刺されたあとの症状にも個人差があり、腫れや赤みが一時的にでるもののすぐに治まる軽症のタイプから、ご質問のお子さんのように腫れがしこりとして残る重症のタイプまで様々です。 刺されないようにするには、
  ・蚊とり線香(煙の出ないものがベター)を使用する、
  ・蚊の活動時刻の外出を避ける、
  ・刺されやすい手足を衣服で覆う、
  ・虫よけスプレーを使用する、
などの方法があります。
 刺されてしまった場合には、掻きこわさないように痒み止めのローションや軟膏を塗ったり、局所を冷やしたりするとよいでしょう。 赤みや痒みが強ければ、ステロイド軟膏を一日2回塗るようにします。 短期間で済みますので、副作用の心配はありません。
 お子さんは虫刺されを掻きこわしたために、感染をおこしているようです。 ジクジクが拡がるようでしたら膿痂疹(とびひ)の可能性がありますので、かかりつけの先生に診ていただきましょう。

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質問17
虫刺されについて(その2)

【質問】
 今朝、気がついたのですが1歳の娘の顔と手足に赤いプツプツができていました。 蚊に刺されたのでしょうか、かゆがっています。虫刺されの予防と刺された場合の処置を教えてください。

【お答え】
虫刺されは虫が活動する夏に多く発生します。 刺されやすい人とそうでない人がいて、個人差があります。 一般的に、こどもはおとなよりも活発な代謝をしていて炭酸ガスや乳酸を産生していますので、蚊などが好んで刺すといわれています。 刺されたあとの症状にも個人差があり、腫れや赤みが一時的にでるもののすぐに治まる軽症のタイプから、腫れがしこりとして残る重症のタイプまで様々です。
 刺されないようにするには、
  ・蚊とり線香(煙の出ないものがベター)を使用する、
  ・蚊の活動時刻の外出を避ける、
  ・刺されやすい手足を衣服で覆う、
  ・虫よけスプレーなどを使用する、
などの方法があります。
 刺されてしまった場合には、掻きこわさないように市販の痒み止めのローションや軟膏を塗ったり、局所を冷やしたりするとよいでしょう。 処置が早ければ1〜2日で治ります。 赤みや痒みが強ければ、ステロイド軟膏を一日2回塗るようにします。 短期間で済みますので、副作用の心配はありません。

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質問18
赤ちゃんの便秘

【質問】
 生後2カ月になる娘のことでお尋ねします。混合栄養ですが、1カ月前くらいから便が3日おきに1回しか出ません。 ウンチは軟らかくて大量にまとめて出るという感じです。機嫌は悪くありませんし、体重の増え方も良いといわれています。 私が便秘症なので遺伝したのでしょうか?

【お答え】
 赤ちゃんの排便のしかたは栄養方法の影響を受けます。 一般的には、母乳栄養児では排便回数が比較的多く、人工栄養児では逆に少なく、混合栄養児ではその中間といわれています。 しかし同じ母乳栄養でも、ある赤ちゃんは1日7〜8回も排便するのに、別の赤ちゃんは2〜3日に1回しか排便しないこともあり、排便のしかたはひとりひとりの赤ちゃんの個性とも考えられます。 特に生後1カ月を過ぎますと、便の回数が減って2〜3日に1回ということも珍しくありません。
 便秘というのはウンチが硬くコロコロしていて、便をする時に苦しそうにイキむとか、肛門が切れて出血するのをいいます。 ご質問のお子さんはこのような症状はありませんので便秘ではなくて「まとめ出し」と考えられます。 果汁、マルツエキス、砂糖水などは便秘のときに効果がありますが、このお子さんでは効果は望めません。
 しかし、生後5カ月より離乳食を始めますと排便回数が増えることが期待できます。 といっても、あと3カ月間何もしないで様子を見ているというのも不安でしょうから、イキんで排便しそうになった時などにお腹をさするとか綿棒にオリーブオイルをつけて肛門をくすぐるなどしてみてください。 この方法を綿棒浣腸といいますが、習慣でクセになることはありませんので安心してトライしてみてください。 便秘が遺伝したとの心配は無用です。

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質問19
赤ちゃんの血液型

【質問】
 5歳の息子の血液型のことでご相談いたします。新生児期に産院で調べてAB型といわれました。 新生児期に調べた血液型は変わることがあると聞きました。再検査すベきでしょうか?

【お答え】
 血液型は、ABO式の他にRh、MN式などもありますが、一般的にはABO式だけに関心が集中しているようです。 ABO式では赤血球表面に存在する血液型抗原と血清中の血液型抗体によってA,B,AB,O,の4型に分類されます。 抗原の成熟は胎児期から認められますが、抗体は出生の時点では出現しておらず生後3ないし6カ月になってやっと出現しはじめます。 したがって新生児期の血液型は血球を用いた「おもて試験」でおこない、血清中の抗体の種類によって決める「うら試験」はおこないません。 ですから抗原の量が少ない場合には反応が弱く出て判断を誤る危険があります。
 この様な理由で、新生児期に調べた血液型は変わることがあるといわれている訳です。
 ご質問のお子さんは抗原の存在がはっきり認められたAB型ですので、調べ直す必要はありません。 現在の医学では緊急に輸血が必要になった場合でも確認のため血液型を調べ直しますので、血液型を知らなくても不都合はありません。 しかしお子さんの血液型を知らないと無責任な様に思われる困った風潮がありますので、入園・入学時に必要な場合や、どうしてもお子さんの血液型に興味がある場合などには検査を受けられたらよろしいと思います。

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質問20
うなる赤ちゃん

【質問】
 産院を退院したばかりの生後10日の男の子です。 入院中は気になりませんでしたが、家に帰ってからいきんで、うなり声をしょっちゅう出しています。どこか悪いのでしょうか?

【お答え】
 赤ちゃんのうなり声は、1カ月健診で第7位にランクされるお母様の心配事のひとつで決して珍しい現象ではありません。 ご質問のお子さんはゲップが出づらい傾向がありませんでしょうか?
 よくうなる赤ちゃんは、哺乳の際に飲み込んだ空気の排気が不十分な場合が多いようです。 ゲップが出ないと吐きやすくなったり、おならが多くなったりもします。 ゲップは授乳後縦抱きにして背中を軽くたたいてだしますが、どうしても出ない場合は一度赤ちゃんを4〜5分間横に寝かせてから再度チャレンジするとよいようです。
 月齢が進みますと飲み方が上手になって空気を多量に飲み込まなくなりますので、もうちょっとがんばってゲップを出すようにしてください。 赤ちゃんのうなり声を心配されるお母さんは4カ月健診ではいらっしゃいませんので、遅くとも生後3カ月ほどでうなり声は消えると思います。 頭の血管が切れるのではないかと心配されるお母さんもいらっしゃいますが、そんなことはもちろんありません。

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質問21
赤ちゃんと日焼け

【質問】
 1歳の娘と海に行く予定です。どんな注意が必要ですか?
【お答え】
 夏のお出かけで注意しなければならないのは、日焼けです。 デリケートな赤ちゃんの肌に強い紫外線が当ると、やけどのように赤くなったり、ひどい場合にはみずぶくれができたりします。 さらに最近では皮膚癌の予防のために過剰な日光浴は赤ちゃんの時から避けるようにアドバイスされています。
 海や山で強い紫外線を浴びるときは、是非とも日焼け止めによるUVケアが必要です。 海では水や汗に流されないウオータープルーフタイプの製品をお勧めします。 日焼け止めクリームやローションはアレルギーが起こりにくいように作られていますが、赤ちゃんによっては肌にあわない場合もありますので、塗って赤くなったりかぶれたりしたら使用を止めてください。

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質問22
水ぼうそうの予防接種

【質問】
 3歳の長女の予防接種でご相談します。BCG、ポリオ、三種混合、麻疹、風疹の予防接種は終わりました。 長男が3年前水ぼうそうになり、今でもまだ痕跡が残っています。 女の子ですので早く受けさせたいと思っていますが、あまり効果がないと聞きましたので迷っています。

【お答え】
 これまで順調に予防接種を受けられて良かったですね。 3歳になりますと日本脳炎の予防接種がありますので、こちらも是非受けられるようお勧めいたします。 また、ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種がまだでしたら、それぞれ1回で済みますのでこちらもお受けになって下さい。
 お尋ねの水ぼうそう(水痘)ワクチンですが、特別なケースを除き保育園や幼稚園など集団生活に入る前までに接種するようにお勧めしています。 特別とはネフローゼという腎臓病や白血病など血液の病気にかかったお子さんたちのことです。 治療によって抵抗力が弱くなっていますので重症化しないように早期にワクチンを接種します。 水痘ワクチンはこれらの抵抗力の弱いお子さんたちのために開発されたものですから、副作用の心配は殆どありません。 ただしポリオや麻疹にくらべると抗体のできる率が低いので、接種を受けた子どもの10%くらいは水痘にかかってしまいます。 このためあまり効果がないなどといわれていますが、実際は90%の確率で予防できるわけです。 さらに、万が一かかったとしても予防接種を受けていれば症状が軽くすみますので、それなりの効果はあるのです。
 水ぼうそうは保育園や幼稚園など集団生活の場で流行しています。 伝染力の強い病気ですので、入園前に予防接種を済ませておきましょう。

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質問23
水イボについて

【質問】
 5歳のむすこのイボについてお尋ねいたします。プールでうつされたようで、だんだんと拡がってきました。 どうしたらよいでしょうか? また、3歳の妹にうつらないか心配です。

【お答え】
 水イボとは伝染性軟属腫ウイルスの感染によってできるイボの俗称です。 統計によれば、4から12歳の間にこどもの約8割が罹患するとされていますので、きわめてポピュラーな病気です。 イボができる場所は脇の下から胸とお腹の側面、次いで手足が多いようです。 イボをつぶしますとウイルスを含んだ白い内容物が出てきます。 これが身体につくと飛び火したり、他人に水イボをうつすことになります。 ウイルス感染症ですので自然に治るのですが、治るまでには短いもので6カ月、長いものでは3年を要します。 学校保健法(平成11年4月1日より施行)によると、「水イボは通常登園停止措置は必要ないと考えられる伝染病であり、原則としてプールも禁止する必要はない」とされています。 プールの水などによる間接的な伝染はないと考えられています。 伝染しやすいのは湿疹や肌荒れがあって皮膚のバリアー機能が低下している場合です。 したがって綿100%の肌着を着用してスキンケアに留意し、湿疹や肌荒れができたら早く治療を受けることが一番の予防となります。

 ご質問のお子さんの場合、お兄ちゃんはスイミングを止める必要はありません。 いつ頃治るかは断言できませんが、そのうち自然と治りますので気長に待つことをお勧めいたします。 妹さんもスキンケアに留意して、健常な肌をキープすれば兄妹間の感染が抑えられると思います。

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質問24
真夏の室温

【質問】
 7月生まれの新生児の母親です。暑い日々が続きますが、お部屋の温度はどのくらいにキープしたらよいでしょうか?

【お答え】
 新生児室の温度は1年を通じて約25℃に保たれています。 ご家庭ではこれに±2℃の幅をもたせますので、23から27℃に保つとよいでしょう。 この温度は中性温度環境と呼ばれ、エネルギーのロスが一番少ない温度なのです。

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質問25
小食なこどもについて

【質問】
 1歳6カ月の長女ですが、離乳期はよく食べてくれたのに、1歳すぎから食欲が急になくなりほとんど食べてくれません。 牛乳とお菓子類はよく飲み食いしますが、食事をみるとそっぽを向き、口にいれると全部吐き出してしまいます。身体つきも小柄なので心配です。

【お答え】
 小食は生まれつきと考えられ、親のどちらかが子どもの頃、小食だった場合が多いようです。 ミルクや牛乳、ジュース、スポーツ飲料、お菓子などの与えすぎが小食に拍車をかけることもあります。
 対策は、お子さんの食生活を見直して、原因らしいものがあったらそれを取り除くことです。 このお子さんでは1歳前後の一過性の食欲不振のときに与え始めたお菓子と牛乳のとりすぎが原因と考えられますので、この2つを控えるとよろしいと思います。 牛乳を止めるのが無理でしたら、量を少なくしてください。 牛乳さえ飲んでいれば安心とお考えのお母さんがいらっしゃいますが、身体を大きくするためには豆腐、肉、魚、卵などをまんべんなく食べさせることが大切です。
 『なんとしても食べさせたい』という親の真剣な気持ちが子どもにはプレッシャーになることもありますので、『おなかがすけば必ず食べる』と信じて様子をみることも大切です。 ほめたり、おだてたりすることも有効ですが、親子で楽しく食卓を囲むことが一番です。

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質問26
出生前小児科保健指導とは?

【質問】
 出生前小児科保健指導というものがあると聞いたのですが、それはどういったものなのでしょうか?

【お答え】
 最近の出生数の低下の一因として『結婚したくない症候群』があげられています。 その背景には出産・育児に対する漠然とした不安があるようです。 我が国では核家族化が進んだ結果、身近な助言者・介助者がいないために、ますます出産・育児に対する不安が増幅しています。
 この不安解決には母親学級や父親学級および各種のサークルが役に立っていますが、育児に対する不安は個別的なものが多いために集団での指導は不安解消にはならないとされています。
 出生前小児科保健指導とは、妊婦さんがお産をされる前に、出来ればご主人とともに小児科医を訪問して育児指導を受ける制度です。
 妊婦さんで育児不安をお持ちの方は、初産婦で90%、経産婦で70%というデータがあります。 育児不安の内容は、栄養と哺乳に関することが第1位で、以下睡眠のこと、住環境のこと、皮膚に関することと続いています。 妊婦さんが育児に関するアドバイスを何から得ているかといいますと、ご自分やご主人の母親、友人、育児書とさまざまですが、不安が解消されていないことは上記のデータから明らかです。
 当院は産科と小児科のある病院として母親学級ならびに父親学級で集団指導をおこなっております。 集団指導で不安が解消されない場合は、小児科にご相談いただくようなシステムをとっています。 心配ごとはなるべくはやく、お産の前に解決しておくべきです。ささいなことでも結構ですからご相談ください。

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質問27
細気管支炎について

【質問】
 生後2カ月の娘が細気管支炎で入院しました。どんな病気でしょうか?生まれつき気管支が弱いのでしょうか? 心配です。

【お答え】
 細気管支炎はRSウイルスという冬に流行する風邪ウイルスによって起こる病気です。 2歳ころまでにほとんどの乳幼児が1〜2回感染するといわれています。 大部分は鼻風邪程度で治り高熱も出ませんが、まれに肺の奥にある細気管支に炎症が広がりますと呼吸困難から命取りとなることもあります。 初期症状は鼻水やせきなどで始まり、大部分は数日の経過で自然に治ります。 ところが感染後3から4日目に細気管支に炎症が及ぶと、元気がなくなって苦しそうに呼吸をしてミルクを飲まないなどの症状が出てきます。 さらに悪化すると息苦しくなって唇が青黒くなってきます。 この状態では一刻を争う入院が必要となります。
 入院治療は、酸素吸入やネブライザーなど呼吸を楽にする処置と脱水を改善する点滴などが主体です。 特効薬はありませんが、適切な治療を受けますと完全に治癒する病気です。 ウイルス感染によって起こる病気ですので、生まれつき肺や気管支が弱いわけではありません。 ご安心ください。

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質問28
泣き入りひきつけを起こした子ども

【質問】
 1歳の娘が机の角に頭をぶつけて泣いた際に、顔色が悪くなり呼吸を止めて身体を硬くしてしまいました。 背中をさすって名前を呼ぶうちに30秒ほどで呼吸が再開して顔色が良くなりました。 病院では泣き入りひきつけといわれましたが、今後どうしたらよいでしょうか?

【お答え】
 泣き入りひきつけは別名を『憤怒けいれん』といい、びっくりしたり怖いことがあったりして大泣きしている途中や、泣き始めの第一呼吸を止めてしまうことで起こります。 呼吸を止めてしまうことで、けいれんの発作のように見えることから『息こらえ発作』とも呼ばれています。
 起こりやすい年齢は新生児期から3歳ころまでです。 典型的な症状は、息を吸い込んで呼吸を止めて顔色が悪くなり全身を硬くすることです。 この症状は数秒から数十秒で、息をハーッと吐き出す呼吸で終わります。 もちろん、発熱はありません。
 泣き入りひきつけを起こすと泣かせては大変と親が神経質になりがちですが、どうせ数回から数十回は繰り返しますので、『こういう子なんだ』と認識して開き直って対応するのがよろしいですよ。 予防接種は普通に受けることが出来ます。

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質問29
脚の変形のある子ども

【質問】
 10カ月の息子のことでお尋ねします。両足が外側に曲がっていて、O脚と思います。どうしたらよいでしょうか?

【お答え】
 小児科には脚の変形を心配されて来院される方はかなり多いのです。 その大部分は下肢の発達過程の変形で問題ありませんが、なかには病的な変形が隠されていることもあります。
 一般に新生児から2歳ころまでは軽度のO脚で、3歳ころには逆のX脚となり、7歳ころにほぼ成人の真っ直ぐな下肢のかたちに近づくとされています。 このように乳児期には軽度のO脚と下腿の内反(内側への反り返り)があるのが普通です。 問題となるのは2歳近くになって両足の踵を接して立たせたときに、両膝のすき間が2〜3cm以上で下腿の内反がひどい場合です。 この場合は小児専門の整形外科の先生に診ていただくのがよいでしょう。
 ご質問のお子さんは8〜10カ月健診と1歳半健診で小児科の先生に変形の程度をフォローしていただくことをお勧めいたします。

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質問30
赤ちゃんの顔のプツプツはどうしたらいいのか?

【質問】
 生後1カ月の娘の頬にプツプツができています。 真ん中が白く化膿しているようでニキビみたいです。目につくところですので早く治してあげたいのです。

【お答え】
 生まれて間もない赤ちゃんは、お母さんからもらったホルモンの影響で、皮膚から脂がたくさん滲み出てニキビのようなプツプツが出来易いのです。 とくに母乳栄養や混合栄養の赤ちゃんでは、母乳に含まれている女性ホルモンの影響でいっそう皮膚が脂っぽくなります。 皮膚からしみ出た脂を洗い流すためには沐浴剤だけでは不十分ですので、石鹸をお使いになると良いでしょう。 普通の浴用石鹸をお母さんの手のひらで良く泡立てて、その泡を赤ちゃんの頬や額などに塗って、お母さんの指でやさしく洗ってあげて下さい。 その後ぬるま湯ですすぎ洗いをします。 すすぐ時はぬるま湯にひたした柔らかいガーゼで石鹸の泡をすすぎ落とします。 仕上げは乾いたガーゼで水滴を押さえるような感じで水気を取ります。 赤ちゃんの皮膚はデリケートですので、決して強くこすらないでください。
 当院の1カ月健診のアンケートでは、約四人に一人のお母さんがこの『顔のプツプツが心配』とお答えになっていました。 このように頻度が高いものですから心配はいりませんが、普通の浴用石鹸で洗顔すると早く治りますのでお試し下さい。 ベビー石鹸、液体せっけん、泡石鹸などでは洗浄力が不十分ですので、固形の浴用石鹸がお勧めです。

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質問31
家庭での風邪のケアはどのようにすればいい?

【質問】
 生後6カ月の娘がいます。風邪をひいた場合に、家庭でできるケアにはどんなものがありますか?

【お答え】
 まずは安静が第一です。 それは体力が消耗すると病気に対する抵抗力が落ちてしまうからです。 部屋で静かに遊ぶ程度ならよいのですが、寒い中や人ごみに出かけたりするのはいけません。 次に、身体の水分が不足すると病気に負けてしまいますので、赤ちゃんは水分をこまめに補給しなければなりません。 一度の沢山飲ませるのではなく、少量を頻回に与えるのがよいでしょう。 第三は、お部屋を暖かくして、赤ちゃんを薄着にしてあげることです。 熱が出ているのに厚着でいると熱がこもって逆効果です。 薄着でいられて熱を放出できるようにお部屋を22〜24℃に保ちましょう。 第四に、お部屋の湿度は60〜70%と高めに。これは咳がひどい場合などに加湿をすると痰のからみが軽くなって楽になるからです。 最後に、時々換気をして風邪ウイルスやばい菌でいっぱいの部屋に新鮮な空気を入れてクリーンな環境を整えてあげましょう。

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質問32
夏の予防接種について

【質問】
 8月生まれの11カ月の次男のことでお尋ねします。 1歳を過ぎたらすぐに麻疹(はしか)風疹の予防接種を受けるように先生に勧められましたが、誕生日が真夏ですので延期するように友人にアドバイスされました。 どうしたらよいでしょうか。

【お答え】
 感染症を確実に予防する手段は、予防接種しかありません。 しかも現在の予防接種は強制ではなく、お子さんの体調によって適否を決める個別接種になっています。 この個別接種はご家族の判断に基づいて、お子さんの体調が良好と思われた場合に医療機関においでいただくシステムです。 医療機関では問診票と診察所見から総合的に診断して接種しております。
 今日では、殆どのご家庭にはエアコンやクーラーが備えられ衛生環境も整備されていますので、真夏といえどもお子さんの体調が良ければ予防接種は受けられます。 麻疹(はしか)も風疹も罹ると困る病気ですので、1歳になったら躊躇しないで予防接種をお受けになるようお勧めいたします。

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質問33
陰嚢水腫とは?

【質問】
 生後1カ月の息子のことでご相談します。1カ月健診で陰嚢水腫といわれました。どんな病気で、どうしたら良いか、教えてください。

【お答え】
 陰嚢水腫とは睾丸を包んでいる膜の中に水がたまって陰嚢が腫れた状態で、病気ではありません。 腫れていても痛みはありませんし、大抵は生後6カ月くらいで水が自然に吸収されますので、待つことが治療法のひとつです。 ただし稀なことですが、
  ・6カ月を過ぎても小さくならないでだんだん大きくなってくる、
  ・1年待っても陰嚢の腫れがひかない時、
  ・そけいヘルニアと合併した時、
には手術が必要になる場合もあります。 ご心配でしたら、3〜4カ月健診、6〜7カ月健診で陰嚢水腫の状態をチェックしていただくことをお勧めいたします。

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質問34
へルパンギーナってどんな病気?

【質問】
 5歳の長男がへルパンギーナになりました。どんな病気か教えて下さい。

【お答え】
 ヘルパンギーナとは、乳幼児に流行する夏かぜの一種で、38〜40℃の高熱が2〜3日続きます。 のどの奥に小さな水ぶくれが幾つもできて、飲み食いの際に痛がるのが特徴です。 治療は熱やのどの痛みを抑えるお薬を処方します。 のどが痛いので、食べ物はかまずに飲み込めるプリン、ゼリー、アイスクリーム、さましたグラタンやおじや、とうふなどを与えてください。
 オレンジジュースなどすっぱいものはしみますので、牛乳や麦茶、ポタージュスープなどで水分を補いましょう。 のどの痛みが強くて水分がとれないとき、高い熱が3日以上続くとき、ぐったりしているときなどにはもう一度診察を受けられるようお勧めいたします。

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質問35
『とびひ』について

【質問】
 2歳6カ月の男の子です。 1週間前に蚊に刺されたあとが水膨れになり、黄色っぽいカサブタでおおわれた発疹が拡がってきました。まだカユいらしくひっかいてしまいます。

【お答え】
 発疹を拝見したところ、『とびひ』でした。 とびひは伝染性膿痂疹という別名がありますように、伝染する皮膚の病気です。 原因は、すり傷や虫刺され、あせも、湿疹などにブドウ球菌や連鎖球菌などの化膿菌が入りこむことで起こります。 掻きこわすことによって、病変が飛び火して増えていきます。 皮膚がただれやすい夏に多い病気です。
 治療は、
  ・抗生剤を飲んで身体の中から化膿菌の活動を抑える、
  ・1日2〜3回抗生剤の入った軟膏を塗る
が基本です。
 また、ご家庭でのお風呂はとびひが乾いてくるまでは入らないで、シャワーで石鹸を使って身体の汚れを洗い流しましょう。 そのあとに軟膏を塗ってください。 プールもとびひが乾いて固まるまでお休みです。 また、とびひは痒みが強いので、掻きこわさないように爪を短く切り、石鹸で手をよく洗いましょう。 保育園や幼稚園はとびひの程度にもよりますが、ひどい場合は1〜2日休ませるようにします。 予防は、皮膚の清潔を保ち、虫に刺されないようにすることです。

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質問36
おへそが飛び出してきたのですが…

【質問】
 生後2カ月の長男のことでご相談します。 1カ月健診を過ぎてからおヘソがだんだん飛び出してきました。泣いたりするとかなり大きくなります。 実家の母は、10円硬貨を貼っておさえるようにアドバイスしてくれましたが、まだよくなりません。

【お答え】
 赤ちゃんのおへそが飛び出してくるのを臍ヘルニア(でべそ)といいます。 これはおへそのまわりの筋肉(腹壁筋)がまだ弱いので、ヘルニア門という穴から腸がおへその皮膚の下に入り込んでしまうために盛り上がって見えるのです。 腹壁筋が発達して強くなりますと、腸が飛び出すこともなくなります。 しかし中にはおなかの皮膚が伸びきってしまい、おへそに収まらない状態(臍突出症)となって手術が必要になったお子さんがいることが知られるようになり、 現在では飛び出しの程度が強いお子さんには綿球を使ってお臍を押し込み、さらにマルチフィックスという薄いフィルムで固定する綿球圧迫療法を行っています。 綿球とフィルムを交換して、皮膚のかぶれをチェックするために週に1回の通院が必要です。 すでに100人以上のお子さんがこの治療を受けています。 ヘルニア門が大きなお子さんでは効果がありませんが、綿球圧迫療法の有効率は90%以上と有用な治療法です。 治療中は入浴も可能です。 ただ単に、バンソウコウや硬貨を貼るだけでは効果はありません。 かえってただれたり、傷ついたりしますのでやめてください。 綿球圧迫療法については当院に直接お尋ね下さい。

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質問37
タバコを食べた赤ちゃん

『子供がタバコを食べてしまいました。どうしたらよいでしょう』と慌てて電話をしてくるお母さんが時々います。 このような場合、すぐにおいでいただいて処置をしますが、慌てないように今回は『タバコ誤飲』についてお話しいたします。

 タバコ誤飲は子供の事故による中毒としては最も頻度の高いもので、タバコの主成分であるニコチンによって中毒になります。 紙巻きタバコ1本には10〜20mgのニコチンが含まれています。 子供の致死量は10〜20mgですので、1本を食べたら死ぬ可能性があるわけです。 しかし実際は、我が国では子供の死亡例は報告されていません。 これは子供がタバコを口に入れたとしても実際に飲み込む量は少なく、たとえ飲み込んだとしても吐き気によって吐き出してしまうためであろうといわれています。 症状は吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、ツバの分泌増加、顔色が白くなる、身体の力が抜けるなどがわずか15〜30分後に出ます。 飲み込んだ量が多いと、意識がなくなったり、けいれんしたり、呼吸が止まったりなどの一刻を争う症状が出てきます。 タバコを食べてから2時間は様子を見なければなりませんが、上記の症状がなければ安心してよろしいでしょう。 万が一、お子さんがタバコを食べてしまったときには、
  ・気付いた時刻、
  ・食べた量はどのくらいか(できたら食べ残しや散らばっていたタバコの葉をご持参ください)をメモする、
  ・何ものませない(牛乳を飲ませても効果はありません)
といった状態で直ちにおいでください。
 こどもは何でも口に入れてしまいますので、危険なものは手の届く場所に置かないようにいたしましょう。 タバコは吸う人だけでなく家族の健康にも有害です。お子さんの誕生を機会に禁煙されるようお勧めいたします。

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質問38
ダイオキシンと母乳栄養

【質問】
 母乳がダイオキシンに汚染されているニュースを見ました。 母乳栄養で生後1カ月になりますが、とても不安です。ミルクに変えるべきでしょうか?

【お答え】
 ダイオキシン汚染の問題が盛んに報道されているせいでしょうか、このような質問を最近多くお受けいたします。 ダイオキシンは脂肪に溶けて体内に蓄積される物質で、発癌性や免疫や生殖に悪影響を有しています。 母乳中には脂肪が多く含まれていますので、母乳栄養児の1日当りのダイオキシン摂取量は大人の耐容摂取量のなんと4〜10倍になってしまいます。
 しかし、このことでパニックになってはいけません。 耐容摂取量とは、動物で影響が認められた最低量に安全率を掛けて一生涯摂取しても人体に影響がないとされる量なのです。 母乳を飲む期間はせいぜい1年間ですから、一時的に摂取量が増えても心配がないと厚生省班研究は声明を出しました。 母乳栄養には感染防止、抗アレルギー効果、母児結合の促進など色々なメリットがありますので、ダイオキシン汚染を恐れるあまり母乳をやめてしまうのは早計過ぎると思います。 ドイツではダイオキシン汚染が問題となった5〜6年前に母乳栄養を止めて人工栄養に変えるキャンペーンが展開されました。 しかし、すぐに撤回されて再び母乳栄養を勧めるようになったという歴史もあります。 母乳が十分に出ているのでしたら母乳を与えてください。
 今後は、母乳の安全性を確保するために環境汚染の進行を食い止めることが必要です。 安心して母乳を与えられる日が早く来るといいですね。

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質問39
『こどもの便秘』で出血

【質問】
 3歳の息子ですが、ウンチが固くて出血し、排便の時に痛がって泣いたりします。 水分や果汁を余計に飲ませたり、野菜を食べさせたりしていますが効果がありません。どうしたらよろしいでしょうか?

【お答え】
 便が2〜3日出ないと便秘を心配される親御さんが多いのですが、便が柔らかくて痛みや出血を伴わなければ便秘ではありません。 ご質問のお子さんは、便が固くて出血したり排便を痛がったりしていますので、本当の便秘と考えてよさそうです。 このようなお子さんでは、力むと痛いので排便を我慢する傾向にあり、便がさらに固くなって症状がひどくなるという悪循環に陥りますから早めの治療が必要です。
 便秘の治療は、
  ・十分な水分摂取、・野菜など繊維質の食餌を取ること、
  ・適度の運動、
が基本です。 このお子さんはこれらで効果が得られていないようですから、腸管の動きを改善して便を柔らかくするお薬をお飲みいただくのがよろしいと存じます。 かかりつけの先生に早速ご相談なさってください。

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質問40
こどもの体温がさがらない

【質問】
 5才の長男のことでお尋ねします。ハナミズが1週間前から出ていますが、咳もなく元気です。 ただ、夕方になると熱が37.1〜37.3℃も出ます。平熱は36.5℃ですので、微熱と考えるべきなのでしょうか? 悪い病気ではないかと心配しています。

【お答え】
 悪い病気の心配はないと思います。 こどもの体温は1日中同じではありません。 朝はいくぶん低めで夜はやや高めになります。 運動したり、食事を摂ったあとにも高くなります。 赤ちゃんでは厚着や暖房の影響でも体温が上がることがあります。 健康なお子さんではこのように平熱に幅があることをご理解いただきたいと思います。 小児科医は1才前の赤ちゃんの正常体温を36.3〜37.3℃、1〜5才までの幼児では36.5〜37.4℃と考えています。 したがって、夕方に出ている37.1〜37.3℃の熱は異常とは考えられませんので、元気であればご家庭で様子を見ていて下さい。
 ただし、ハナミズがひどくなったり、咳が出てきたり、体温が37.5℃以上になったら受診されるようにお勧めいたします。

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質問41
こどもの花粉症

【質問】
 毎年、春先からの花粉症に苦しんでいる母親です。2月末ころから、4歳の息子が鼻水をたらしてくしゃみを連発するようになりました。 鼻がつまって眠れないということはありませんが、日中は鼻がムズムズするようでしきりに鼻をこすっています。 花粉症が心配ですので、アドバイスをお願いいたします。

【お答え】
 こどもの花粉症は小学生以上にならないと発症しないとされていましたが、原因となるアレルゲンの量的質的変化、居住環境の変化、大気汚染などにより、1歳半くらいからの低年齢での発症が知られるようになりました。 アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)としてはハウスダスト、スギ花粉、両者の合併が主ですが、このほかに真菌やスギ以外の花粉があります。 スギ花粉症は2月頃から発症しますし、昼間に症状がひどくて夜になるとおさまるということから、このお子さんはくしゃみ・鼻汁型のスギ花粉症の疑いがあります。 かかりつけの耳鼻科あるいは小児科の先生にご相談になり検査をお受けになられますようお勧めいたします。
 治療はアレルゲンの回避をすることです。ハウスダストでは、
  ・室内清掃は目の細かいフィルター付きクリーナーを使う、
  ・ダニの付きやすいじゅうたん、カーペットやぬいぐるみは使わない、
  ・寝具にはダニを通さない防ダニ機能のカバーをつける、
  ・空気清浄器を使う
スギ花粉では、
  ・花粉情報を参考にして花粉の飛散の多いときには無用の外出を避ける、
  ・外出時にはマスク、めがねを使用する、
  ・帰宅したら、洗顔、うがい、鼻かみをおこない、できればシャワーを浴びて衣服を着替える、
  ・窓は閉めておいて、洗濯物や布団は外に干さない)
  ・薬物療法(抗アレルギー作用を持つ眠くならない抗ヒスタミン剤)
を並行しておこないます。 抗アレルギー剤は効果発現に約2週間を必要としますので、それまできちんとお薬を飲ませるようお勧め致します。

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質問42
こどもとペット

【質問】
 1歳6カ月の男の子の母親です。この8月実家に帰る予定ですが、家の中で子犬を飼っています。どんな注意が必要でしょうか?

【お答え】
 犬は忠実で喜怒哀楽を素直に表現し、多少とも人間の言葉を理解しますので、単なるペットではなく家族の一員として飼われている場合が多いようです。 しかし、小さな子供のいる家庭やこれから赤ちゃんが生まれる家庭では、犬の病気が子供に伝染したり、毛やフケが喘息の原因になるのではないかと不安になるようでこのような相談をよくお受けいたします。
 子犬から子供に伝染する病気として最も警戒を要するのがイヌ回虫による「内臓幼線虫症」です。 獣医さんによると、生後半年未満の子犬の60〜70%はこの寄生虫に感染していて、糞便のなかに沢山の虫卵を排泄するのだそうです。 ヒトがこの虫卵を飲み込むと、消化管のなかで孵化して幼虫となって、血流に入って肝臓・肺・脳・眼球などに侵入して病気を起こします。
 数年前、公園の砂場の砂からイヌ回虫卵が高頻度で発見されたというショッキングなニュースが流れましたが、その後この「内臓幼線虫症」が急に増えたという報告はないようです。
 ご質問のケースは、一時的にご実家にお帰りになられるのですから、さほど心配されなくてよろしいと存じます。 念のため、動物病院でのイヌ回虫寄生の検査とヘルスチェックをお願いしておいたらいかがでしょうか。
 また、お子さんに限らず、食事の前には必ず手を洗うことが大切です。

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質問43
子どもに最適なお部屋の温度は?

【質問】
 2月に出産の予定です。退院後、赤ちゃんのお部屋の温度はどのくらいにキープしたらよろしいでしょうか? 寒い時期なので心配です。

【お答え】
 赤ちゃんをケアするのに大切なポイントが3つあります。 第一が保温、第二が栄養、第三が感染防止です。 赤ちゃんの体温を正常にキープすることは、このようにとても大切なことなのです。
 赤ちゃんといえども、ある温度環境では体温を一定に保つ能力があることが知られています。 この温度環境を体温調節可能域といいます。 そのなかでも酸素とエネルギーの消費量が最も少ない温度を至適温度環境といい、赤ちゃんの保育に最も適した温度とされています。 成熟児の至適温度環境は摂氏25度くらいです。 病院の新生児室は1年を通じて25℃に保たれていて、そこで赤ちゃんは肌着1枚でケアを受けています。
 日本の家屋では冬場に25℃をキープすることは困難ですので、20℃を保てるように暖房して肌着の上に1枚着せてベビー毛布で胸から下を覆ってください。 これでも体温が不安定でしたら、掛け物を追加するか毛糸の帽子をかぶせると良いでしょう。 暖房をきちんとすればアラスカやシベリアでも赤ちゃんは育ちますのでご安心ください。

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質問44
おたふくかぜのワクチン

【質問】
 おたふくかぜワクチンは髄膜炎を起こす頻度が高いと聞いています。心配ですので、実情を教えてください。

【お答え】
 おたふくかぜとは、おたふくかぜウイルスの感染により熱や耳下腺の腫れと痛みの出る病気です。 ワクチンはウイルスの毒性を弱めた生ワクチンですが、1回の接種で十分な抗体ができます。 ワクチンの副反応は、接種して2〜3週間後に2〜3%の確率で発熱と耳下腺の腫れが起こります。 さらに接種して2〜4週間後には数千人にひとりの割合で無菌性髄膜炎を起こすことがあります。 髄膜炎というのは、脳や脊髄を包んでいる膜にウイルスが感染して炎症が起こった状態で、発熱、嘔吐、頭痛などが主な症状です。 幸いなことにワクチンで起こった髄膜炎は1〜2週間以内には治って、難聴などの後遺症を残すことはありません。 ところが、実際におたふくかぜに感染した場合には、50人にひとりという高い割合で髄膜炎を合併します。 さらに、率は低いのですが難聴になったり、思春期以降にかかると、男子は睾丸炎、女子は卵巣炎を合併し、不妊症になることもあります。
 麻疹、風疹、おたふくかぜの3種類が入っていたMMRワクチンでは、ご指摘のように髄膜炎を起こす頻度が確かに高かったようです。 しかし現在では単独ワクチンに切り替わり、副反応の出現頻度は著しく低下しました。 めったに起こることのない副反応を恐れるよりも、自然感染による合併症のほうが確率が高くて重症ですので、そのリスクを回避するためにもワクチンをお受けになるようお勧め致します。

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